日本語検定1級は就職とは別問題?

イベント

 

english_kaiwa_bad_man

今年、日本へ来た外国人観光客の数は戦後最大だそうです。中国人の爆買いが有名ですが、街を歩くとアジア系、欧米系の外国人の方をたくさん見かけるようになりましたよね。
 
 中でもメモを片手に英語でガイドをしている日本人の方を見かけると、なんかカッコいいですよね。
しかし私も含めて、多くの日本人は英語を話すことができません。
最低6年間も授業で英語を習ってきたのに・・・。どうしてでしょうね?
かといって今更英会話教室に通って英会話をマスターするのは・・・・。 なんとか自分なりの国際交流ができないかと。そこで私は考えました。

よその国の言葉だから話せなくて当然。じゃあ、日本語なら?毎日使っている言葉だから、教えることはきっと簡単ですよ。
日本に来る外国人、特に長期滞在している人は少しは日本語が話せるはず。そんな人たちに得意?な日本語を教えれば私なりの国際交流ができるのではと。。。。

外国人でも受験する人がいるんですね。外国人の人から見た、日本語能力試験についての動画を見つけました。日本語検定のことを言っているようですね。

The TRUTH about the JLPT – 日本語能力試験 の事実

日本語は世界の言語のスペシャル

 ところが、そんな私の浅はかな考えは完全に潰れてしまいました。よくよく調べてみると、日本語は多くの言語の中でも難しい言語として位置付けられているそうです。

 確かに、ひらがな、カタカナ、漢字と三つの言語表現を使う言葉は珍しいですよね。さらにそれらを一から教えるとなると、文法も含めて大変な作業になります。よく考えれば「教えてもらう」よりも「教える」方がはるかに難しいのです。
 
 私の国際交流の夢は泡のごとく消えてしまいました。でも、何か方法があるはずとさらに詳しく調べていくと「日本語検定」という言葉が見つかりました。「英語検定」は有名ですが、日本語検定とはいったいどういうものなのか調べてみした。           

日本語検定とは何でしょうか 

「日本語検定」とは日本語を使うすべての人のための検定です。敬語、漢字、文法、表記、語彙、言葉の意味の6つの領域から出題され、日本語の相互的な運用能力を測る試験となっています。受験級は1~7級の7レベルにわかれていて、大学卒業程度は2級、社会人は1級レベルが目安です。

 日本語検定は「英検」と同じく公的な職業能力証明である「ジョブ・カード」の記載対象になっており、就職や転職活動を有利に進めるアピールポイントの一つにもなり、ビジネスシーンでも活かせる資格です。ただし、あくまで日本語を詳しく理解しているかを測るものであり、日本語を教えることのできる資格ではありません。

検定日時、受験資格、ランクなどの募集要項                  

料金、レベルの目安は以下のとおりです。

「日本語検定」には特に受験資格はありません。試験日程は6・11月(平成26年度実績)の年2回開催されます。(本年度は11月12日開催)                
★1級→社会人上級レベル、受験料(6,000円)                  
★2級→大学卒業レベル~社会人中級レベル、受験料(5,000円)         
★3級→高校卒業レベル~社会人基礎レベル、受験料(3,500円)         
★4級→中学卒業レベル、受験料(2,000円)                  
★5級→小学校卒業レベル、受験料(1,500円)                 
★6級→小学校4年生レベル、受験料(1,500円)                 
★7級→小学校2年生レベル、受験料(1,400円)                           
受験会場は全国の都道府県(開催されていない県もあります)主要都市にて開催。
詳しくは日本語検定公式HPをご覧ください。

日本語検定1級を取れば何ができるの

まずは日本語検定が主催する「講師養成講座・講師認定試験」の受講資格が得られます。「日本語検定講師養成講座」は日本語検定を受験する人を教える講師を養成する講座講座終了後には「講座修了証書」が発行され、「認定試験」合格後は「公認講師」として、各地で開催されている「日本語検定試験対策講座」の講師として働くことができます。つまり、検定内での日本語講師ということで、企業などで社員教育の一環として開催されるセミナーや勉強会などでの講師として派遣されます。

日本語検定1級は外国人のための資格?

J.TEST試験結果を入試の際に活用している大学・大学院のリスト(一部抜粋)というHPがありました。見れば、難関大学の入試資格に設定している大学一覧です。
なるほど。それなら理解できますね。
実は、20年くらい前になりますが、単身でマドラスに行ったことがあります。

この時単身だったため、現地で日本語ガイドを雇いました。
現地のマドラス語と英語、日本語ができる子をリクエストしました。
現れたラリタという子は、本当に日本語がべらべらで冗談も話せるレベルでびっくりしました。

聞けばラリタは日本語検定一級でした。

日本人が珍しく、ぜひ紹介したいと連れられていったのがマドラスの日本語学校でした。
なんと故・笹川良一の寄付によって建設されたと聞いて驚きました。
インド人はとても強く日本で働きたいと思っていて、給料の大半を学校に使い、日本語を勉強していました。
彼らはみんな驚くほど日本語がぺらぺらでした。日本語検定2級、または1級レベルと聞きました。
簡単な漢字、ひらがなを入れた文章も書けます。英語で手紙を書くと、「日本語で送ってください」と言われました。
その後、ラリタは念願叶って今は東京で仕事をしています。

日本語検定1級は日本人と変わらないレベル。
外国人のための資格といってもいいかもしれませんね。

日本語検定1級を募集必須条件にしている企業や職種はあるの

マスコミ関係の会社などでは「日本語検定」を必須としているところはあるようですね。文章を扱う職種だけに当然ではありますが・・・。また人材派遣会社、進学塾、といったところも「日本語検定」を重視しています。  
その他の有名・無名を問わず、様々な企業が「日本語検定」資格の有無を採用時の加点ポイントとしているようです。ただし、「日本語検定1級」が即就職につながるとはかぎらないようです。

日本語検定HPで採用担当者の声として、読売新聞東京本社の前人事部次長のコメントがありました。やはり新聞社やマスコミでは有利かもしれませんね。
 

就活と日本語力

期せずして人事部に異動し,学生から送られて来た膨大なエントリーシートに初めて目を通した日の衝撃を,忘れられずにいる。虎の巻でもあるのか,判で押したように似通った自己PR。書いた本人の魅力がまるで伝わらない空疎な言葉の連なり――。慌てて書店に駆け込んで,就活コーナーに山積みされた大量のマニュアル本を見つけて,また驚いた。少なくとも日本の企業に就職したいなら,日本語力ほど重要なものはない。エントリーシートでも面接でも,自分をPRする媒介として日本語には頼らざるを得ないからだ。

日本語力とは,文才とか文章力とは違う。自分の思いを正確に相手へ伝える技術のことだ。そこには読む人への配慮も含まれる。就活では,仲間うちだけで伝わる言葉や,マニュアルのお仕着せ表現ではなく,自分の言葉で思いを伝えるスキルが求められる。日本語力はまさに,厳しい就職戦線を勝ち抜く武器なのだ。

もちろん、エントリーには目立つという意味で有利にはなるでしょう。
ただし、就職に有利という目的で日本語検定1級を取るという目的ならば、時間とお金をよく考えたほうがいいかもしれませんね。

 

 

 

 

コメント

  1. 秋田 点 より:

    「日本語能力試験(JLPT)」と2007年から始まった「日本語検定(語検)」の情報がごちゃまぜです。この2つの試験は、主催者も内容も異なります。
    動画は、「日本語能力試験(JLPT)」のものであり、級の紹介は「日本語検定(語検)」のものです。
    20年前のエピソードは、JLPTのものです。

    JLPTは、2009年まで1級~4級の4レベル、2010年からN1~N5の5レベルになりました。

    なお、J.TESTは上記2つと異なる試験です。紹介されているHPは、タイ事務局のものであり日本事務局(本部)のURLは、http://j-test.jp/です。

    • アバター画像 banzai@rakuraku より:

      ご指摘ありがとうございます。調べなおして訂正いたします。記事を読んでいただいてとてもうれしいです。

タイトルとURLをコピーしました